2014年2月配本

つるにょうぼう

著者など:矢川澄子再 話/赤羽末吉 絵
【定価】1296円/福音館書店

幻想的な美しさにあふれる鶴女房のお話の決定版。若者と鶴との哀しい物語が、数ある再話を凌駕する洗練された文章と目もあやな画面ですばらしい絵本になりました。


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鶴の恩返しの昔話を、「欲をかいてはいけない」という教訓として読む人 もいるでしょう。「約束を破ってはいけない」と感じる人もいるでしょう。 私は、「見せてはならない苦労というものがある」ということに心を打たれ ます。
昔話というのは、そこから無限にイメージを紡ぎ出せるものです。だから 様々な脚色も可能になるのです。でも、この絵本では、再話にあたっての脚 色の妙よりも、最後の二枚の絵が心に残ります。鶴の姿を追って表へ飛び出 す与平のそばには、与平の心を代弁するかのように二人の子どもが描かれて います。そして、ページをめくると、雪の止んだうす暗い空の彼方に小さく 一羽の鶴が飛んでいくのが見えるのです。
この二枚の絵が、子どもたちの心に焼きついていたらどんなに素晴らしい だろうと思います。人生の中で経験する様々な喪失感が、単なる悲しみで終 わるのではなく、もっと深く豊かなものになっていくことでしょう。

細井 保路
逗 子カトリック教会司祭


○赤羽末吉さんは、1910年生まれ、旧満州に渡り、独学で絵を描いてきました。50歳のときに『かさじぞう』で絵本デビュー、日本の伝統的な墨絵などの画法をとりいれ、数々の昔話絵本を生み出した第一人者です。
○幻想的な美しさにあふれる鶴女房のお話。洗練された文章と目にもあざやかな画面を親子でお楽しみください。
○表紙と裏表紙の絵はつながっています。印象に残る見事な一枚絵ですので、ぜひじっくり見せてあげてください。
○3月は、自由を求めて動き出した、人形ティリーの冒険物語『ティリーのねがい』です。お楽しみに!
○2013年度から2014年度へ継続して年間購読をお申込みくださいました皆さまには《ご継続特別プレンゼント》をお送りさせて頂きます。詳しくは、3月号に挟み込まれます「ご愛読の皆さまへ」をご覧ください。
< K・H >



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