マザーグースに着想を得たやわらかな詩と、素朴で力強い絵が組み合わさった、あたたかな
雰囲気を持つ絵本。コールデコット賞受賞。
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この絵本を読んで、金子みすゞの「はちと神さま」という詩を思い出す人 が多いのではないかと思います。「はちはお花のなかに、お花はお庭のなか に、・・・そうして、そうして、神さまは、小ちゃなはちのなかに。」とい う詩です。一番大きな存在が、一番小さなものの中に宿っているという感覚 を、入れ子式にイメージを積み重ねながら、感じ取っているのです。
寝る前に開いた一冊の絵本の中で、女の子は世界の秘密に触れるのです。 夜を照らす月は、実は太陽に照らされているのだということを。そして、そ の太陽は、小さな絵本のページの中にも宿っているということを。ひとたび その秘密を知ってしまえば、灯りを消して、真っ暗な夜の闇の中でも、太陽 の光は満ち溢れていると感じることができるのです。
黒と黄色のインクだけを使って、暗闇と光のコントラストの美しさ、暗闇 が光を内包している優しさが、見事に表現された絵本です。
細井 保路
逗 子カトリック教会司祭
〇…家の鍵、家の明かり、ベッド、本、鳥と次々に連想が広がっていくこの作品は、作者スーザン・マリー・スワンソンが、マザーグースに登場する「これはお うこくのかぎ」というわらべうたから着想を得て書かれました。ベス・クロムスによる版画のような素朴であたたかな雰囲気の絵、そして谷川俊太郎さんの訳が ぴたりと合った、美しい詩の絵本です。読み終わったあと、心の中にあかりが灯り、豊かな時間が満ちてくるそんな一冊です。 〇2009年のコールデコット賞(アメリカで出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して年に一度贈られる賞)受賞作品です。 〇次回は、昔話絵本『つるにょうぼう』です。幻想的な美しさにあふれる鶴女房のおはなしの決定版です。ご期待ください。 〇2013年度から2014年度へ継続して年間購読をお申込みくださいました皆さまには《ご継続特別プレンゼント》をお送りさせて頂きます。詳しくは、3月号に挟み込まれます「ご愛読の皆さまへ」をご覧ください。
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