はりねずみはこぐまの家に行く途中、霧の中にうかぶ白い馬を見つけ、霧の中に入っていきます……。濃い霧、淡い光が絶妙なタッチで表現された詩情あふれる美しい絵本。
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ロシアの映像作家ノルシュテイン夫妻の美しい絵本です。初めにアニメー ションとして作られ、絵本にリメイクされたものです。アニメーションはさ らに幻想的で、チャンスがあれば是非ご覧いただきたいものです。
親友のこぐまを訪ねる途中で、ハリネズミは霧の中に浮かび上がる白馬に 魅せられて、つい道に迷い込み、様々な体験をします。そして最後は無事 に、いつもの通り、こぐまと一緒に星を眺めるのですが、はりねずみは、今 しがた味わった不安や恐怖や安堵の感情によって、こぐまの知らないひとま わり大きな心を手に入れているのです。そしてなにより、こぐまの知らない 白馬の幻想が心に住みついているのです。
こぐまは、大人の私のようです。はりねずみは、私のあずかり知らないと ころでどんどん心を成長させていく子どものようです。子どもの心の中に 育っていくものを尊重しましょう。
細井 保路
逗 子カトリック教会司祭
○この本を読み聞かせるとき、お母さん・お父さん方はいつのまにか声をひそめ、静かに静かに子どもに語りかけることでしょう。そして、薄暗くて静謐な世界 のなかに、たくさんの生き物の息づかいを感じることでしょう。例えば、木の梢の後ろをよく見るとみみずくがひそんでいるのが分かります。また、茂みの間か らは、そっと白馬が首をのぞかせています。川の水面にうっすら映るナマズも神秘的です。濃い霧、そして淡い光が絶妙なタッチで表現された、詩情あふれる美 しい絵本です。 ○次回は、お月様の大好きな少年の言葉に託して、大人たちや地球文明へのメッセージが語られる『つきのオペラ』。ファンタスティックな絵も魅力です!
< K・H >
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