めだかコース
2014年9月配本

おやすみなさい コッコさん

著者など:片山健作・絵
【定価】880円/福音館書店

夜。空の雲も、池の水も、鳥も、みんな眠ったのに、まだ眠らない女の子が一人。コッコさんです。「おやすみなさいコッコさん」と月が静かに語りかけます。

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9月は、お月様にまつわるお話が多くなります。片山健氏の絵本は情緒的なお月様のお話というより、子どもの日常生活の体験に基づき、お月様がさりげなく関わるお話です。子どもも、いろいろな状況の中で眠れなくなることがあります。コッコさんも「ねむらないもん」と眠りにつくことを拒否します。まわりはだんだん闇に包まれます。雲も、池の水も、鳥もみんな眠りについていきますが、コッコさんはそれでも「ねむらないもん」といいはります。でも、コッコさんの意志に反して、だんだんに眠りに近づいていきます。子どもたちは、眠りに近づいていくこの様子に共感をするようです。全体が、少し暗い色彩で描かれ、それを見ているだけで、眠りの世界に引き込まれていくようです。「おやすみなさい、コッコさん」とお月様がやさしく語りかけてくれます。優しいお月様と静かな夜の様子が流れるように描かれます。

長山 篤子
和泉短期大学講師


○子どもだって眠れない時もあれば、眠いけど眠りたくない時もあります。「ねむらないもん」と頑張るコッコさんは、子どもたちの姿そのものです。
○片山健さんによる水彩の絵は、夜の世界にだんだんと溶け込んで眠りに誘われるコッコさんのように、子どもたちをゆったりと包み込みます。
○ひそやかに語りかけるお月様の声は、寝かしつけるお母さんやお父さんのような安心感を、子どもたちにもたらしてくれているのでしょうね。子ど
もたちの気持ちに優しく寄り添う絵本、眠りにつく前のひとときにぜひ読んであげたい一冊です。
○次回は、実話を元にした絵本、『まいったなあ』です。なんで「まいった」のか…驚きの展開が待っています。<M・I>

 

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