2013年10月配本

さるのオズワルド

著者など:エゴン・マチーセン 作/松岡享子 訳
【定価】1404円/こぐま社

毎日楽しく暮らしていたさるたちのもとに、いばりやのボスざるがやってきてやりたい放題!みんなは我慢していましたが、ある日オズワルドが「いやだ!」と叫ぶと…。


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この絵本の、第一の仕掛けは、「言い間違い」の楽しさです。言葉遊びを楽しみながら、上手に何かを伝えていくために、ぴったりする言葉を選ぶ楽しさを発見するのです。
そして、第二の仕掛けは、上手に何かを伝えていくためには、ときには「ノー!」と言わなければいけないということです。駄々をこねて「いやだ、いやだ」 と泣きわめくのとはちがって、もっと大事な心の叫びとして「ノー!」と言わねばならないことがある。そんな重大なテーマを軽妙な語り口と、軽妙なイラスト で上手に包んで見せてくれる絵本です。
第三の仕掛けは、まさにその、軽妙なイラストにあります。特に、オズワルドが「いやだ!」と叫ぶページの絵は出色です。声を発したあとの、一瞬の静寂をオズワルドの大きく見開いた目が見事に表わしています。
最後まで読むと表紙の大きなリンゴの意味もわかる仕掛けになっています。

細井 保路
逗 子カトリック教会司祭


○この絵本は、戦後間もない1947年にデンマークで出版されました。著者は『あおい目のこねこ』で有名なエゴン・マチーセンです。
○この二冊に共通するテーマは、アイデンティティ(自分が自分であること)です。正しいと思ったことを声に出して貫いていくオズワルドの姿に子どもたちが何かを感じてくれればうれしいですね。
○来月は、子だもたちが大好きなどんくまさんシリーズの中の一冊『どんくまさんのらっぱ』です。お楽しみに。
< Y・Y >



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